「第4の軽」になり得るか? ありそうでなかったムーヴ キャンバスに試乗
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
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ハードウェアのベースはタントだが、リアウィンドウをわずかに前傾させたプロポーションは、いかにも新しい前後対称風。そのぶんリアシートはタントより前に出て、後席レッグルームはせまくなったが、それでも使え切れないくらいに広大。いっぽうで頭上空間はちょうどいい開放感で、タントとはちがい、前席サンバイザーにもシートに座ったまま手が届く。
ホワイトとミントブルーの2トーンを訴求カラーとして、さらに車名も“バス”をもじった造語ということもあって、ネット上では、キャンバスを「VWバスのパクリ」と揶揄する声もある。もっとも、自動車メーカーで商品名を決めるのは、たいがい営業部門である。新規車種の場合、商品名が決まるのは発売直前のケースも多く、エンジニアやデザイナーが最初から“バス”というキーワードでクルマをつくったわけではないだろう。
もっとも、このカラーリングがVWにインスピレーションを得たものであることは間違いない。ただ、あらゆる「○○みたいなクルマ」を、ガチガチに縛られた枠のなかで表現してきたのが、軽自動車の歴史でもある。欧州でもフランスやイタリアで人気のマイクロカー(日本でいう原付カーみたいなもの)にも、こういう「○○風」が多い。ダイハツもこれを海外で売るつもりはないはずだし、少なくともこの2トーンカラーについてはシャレのきいたキャラ商品として、目くじらを立てることもないと思う。
それにしても、キャンバスの2トーンカラーは凝った塗り分けパターンで、かつクオリティも高い。2トーンといえばルーフだけ別色のパターンが一般的だが、ダイハツの場合、そのタイプの2トーンはすでに独自開発のフィルム貼りに移行しつつある。そんなダイハツゆえに、キャンバスでは塗り分け2トーンでより複雑なパターンに踏み込んだわけだ。こうした2トーンカラー技術といい、キャストで見せた3モデル同時展開戦略といい、ダイハツは“少量多品種化”の生産技術で一歩先んじている感はある。
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